
- 作者: 吉岡直人
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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それぞれのエッセイの中から気になるワードを抜粋
1.「勝手にテコ入れゲーム企画」を考えよう!
- 日々、目に入るあらゆるものに、勝手にテコ入れする方法を考える
3.プログラマの「ゲーム作り」への情熱
- ゲームはチームで作る
- 同じ方向を向いてもらうにはコンセプトを共有しよう
- プログラムの「コンセプト」共有にコーディング規約を使おう
- プログラマの「世界観」はコードレビューで共有しよう
10.面白さには旬がある
- 面白さの要素「競技」「トレース」「非日常」の3つ
13.神は細部に宿りたまう
- ドイツのミース・ファン・デル・ローエが好んだ言葉
- 「自分で何か考えて、試してみて、そのフィードバックがあることが、僕(は)、インタラクティブの面白さの一つだと(思う)」
- ビデオゲームのみならず、世界における「面白い事象の仕組み」を見逃さずに察知する「ゲーム眼」こそが、ゲームクリエイターには必要
14.面白くならなくてもいいから、短時間で作ってみよう
- 「判断に直接参加したこと以外は経験値にならない」
- 「開発したゲームは完成しなければその開発を通した経験値を得ることが出来ない」
- 超短時間で作った小さなゲーム、荒削りで結果的に面白くならなかったゲームを通してでも、完成さえすれば沢山の経験値を得られる
条件「コンセプトを設定し、最後まで死守する・チームで制作する・時間制限を設け、時間が来たら強制的に完成とする」の3つ
15.ゲーム創りを楽しむための3つのポイント
- イメージ力
できあがったゲームを楽しむユーザーの姿をイメージする
- 達成感
完成に近づいている感覚を皆に持たせること
- 自己成長感
プロジェクトを通じての個々人の成長感
21.魅力的なグラフィクスのために心に留めておくべきこと
- 既存の手法の不自然さを考察し、常により優れた表現を目指せ
- 「理論的である=魅力的な映像」ではないことを知れ
- 魅力的な表現についてのセンスを磨け
- 総合的なコンテンツワークフローの重要性を理解せよ
22.頭の中に完成形は出来ているか
24.「それを最初に思いついたのは僕だ」で、それがどうした。
- 新しいゲームが出たときに「あれは昔、俺が考えたんだよね」と言っている人が、あなたも含めて世の中には何人もいるということ
25.ユーザー視点を意識しよう
- 作り手の都合による「仕様」という言い訳はユーザーには通用しない
- 制作者自身がユーザーとしての客観的な目線で自分のアイデアを見つめなおす
26.リーダーシップとはなんぞや?
- 大前提。「リーダーは、偉い人でも、凄い人でもなく」
- 「人と人との和」「人を思う」事がよりよいリーダーの条件
上下関係なく様々な人の話を聞き、自分の考えと違っていても、より正しいと思うのであればそれを選択する
- 兎にも角にも「任せる」「見守る」「励ます」事
人のよい面の「可能性」に目を向ける
人は「安心感」と「任されている」という思いが強いほどに本来の自分の力を発揮する
うまく行かない時はアドバイスと共に「大丈夫だ。ここはいけてるぞ!」という「励まし」を与える事も大切
それぞれの強みに合った、活躍の出来る場、チャンスを与える
- 仲間や他部署の方に対する「敬意」
- 誰がどう見ても「最悪だ……」と思える状況が続く時はとりあえず「笑う」事
- リーダーとは「人の力を引き出し、一人では不可能な偉大な事をチームの力で成し遂げさせてしまう人」
42.普通になった「ゲーム」を作るときに知るべき1つのこと
- 流行っているゲームをとにかく徹底的に遊び、要素を分解し、考えて再構築し、次に評価されるゲームを考える
- 僕はゲームについてユーザーより詳しいか?ユーザーよりも遊んでいるか?
43.ゲームデザイナーがアイデアに困ったときは
- 制約を整理する
- 制約を真似る
- 制約を差別化する
44.体験からイノベーションを起こそう
- 新しいテクノロジーやライフスタイルが産まれたら、まず体験してみる
- 徹底的に非日常的な体験をしたら、今度はそうした体験を縮小再構成して、日常を非日常化してみる
45.バランスの破綻を防ぐゲームデザイン
- ゲームバランスとは価値のバランス
- 特定の価値観が優遇されていないか、それ以外の価値観が無視されていないか
46.主観無き開発は無力
- “面白い”の第一歩は開発者自身が主体的に打ち立てる必要がある
- 「○○でやっていた手法だから面白い筈だ」はありえません
- 「こういう要望が多数寄せられたから、その通りに実装したら良くなる」も、ありえません
- 何故そのような要望が挙がったのか?正体を突き止めて、効果的な対処を考える
- 最終的にどうするかを決定するのは結局のところ、開発者の主観
- 主観の精度が低いと、独り善がりで理解されない作品になってしまう
- 一つの正解を導き出したからといって、その他の正解を探す努力を怠らない
52.オンラインゲームサーバーの開発
- ゲーム設計の段階から、バグやボトルネックになりそうな部分を排除しておく
- バージョン管理、自動ビルド、自動チェック、ソースコード静的解析、といった定番の環境はほぼ必須
- バグが出た場合に自動通知する仕組みが必要
クライアント、サーバー両方のプログラムで、例外やASSERTが発生した際のメモリダンプやスタックトレースをメールで通知する
- ユーザーのあらゆる行動を記録するログの仕組みも必要
ログは毎日数十GB単位で増えていきます
- 他にもサーバー、ネットワーク機器、OS、ライブラリ、データーベースといった他人の作った物にも対策が必要
- なるべく実環境に近い形での限界テストが必要
数万人規模の高負荷をかけられる様なダミークライアントを用意
- このように様々な対策をしてそれでもなおトラブルが出るのがオンラインゲーム開発
53.「伝える」プロデュース
- プロデューサーの仕事は、ひとことで言えば「商品の販売により、最初に預かった資金を増やす事」
コストの抑制と売り上げの増大
- 「一言」の重要性
ペラ1~2枚で書けないものは、企画者の中でアイデアがまとまっていない
ユーザーに対する「一言」と、予算や人員獲得のために経営陣に対して行うプレゼンの「一言」は違うものになるはずです
プレゼンの相手が何を求めているか?を理解し、そこに刺さる「一言」
企画書であれば最初の1ページ、プレゼンならば最初の5秒が勝負
55.スピードこそが重要
- 60~80%の完成度で提示してしまう
- 本当に重要で価値があるポイントは、実は20%程度しかない
59.シェイクスピアを読め!歌舞伎を観よ!
72.ゲーム開発はチームワーク
- 企画コンセプトである「おもしろい」ことも人によってはおもしろくないことかもしれません
- 開発現場で最も重要なことは“共有”すること
- 「仕事だからある程度やこの程度で……」と割り切った考えが過ぎたり、「誰かがやってくれるだろう」などと人任せな態度でいて、現場の温度=商品クオリティが上がるようなものではありません
- 企画コンセプトを元に、どうすればもっと面白くなるのか、ユーザーを驚かせるためにはどうすればいいのかということを常に意識共有
86.残念な現場
- 予算の予測が甘い
色んな事情で遅延した時の為のバッファ分等が極めて少ない
結果「やっぱり〆切を伸ばします」となれば同じ
- 監督が正体不明
プロデューサーとかディレクターに決定権が無いとか、はっきりしないとかいうパターン
- 各パートの作業工程を全く把握出来てない
本職なら何でも簡単にささっと出来ると思っている人は意外と多い
- やたら綿密な工程表を求める
それを求める人に限って工程表が守れず、しわ寄せどころか他人のせいにして逆切れしてくる人もいる
綿密な完成図が既に出来上がっていれば可能